PHYSICAL AI / EVENT REPORT

第1回フィジカルAI展[東京]
2026現地レポート
写真・動画で見る4社の展示

2026年7月1日〜3日、東京ビッグサイトで「第1回フィジカルAI展[東京]」が開催されました。第38回ものづくりワールド[東京]の構成展として初開催された会場を、7月2日の写真と動画、各社の公式情報から振り返ります。

会期2026年7月1日(水)〜3日(金)
10:00〜17:00
会場東京ビッグサイト
位置づけものづくりワールド東京の構成展・第1回開催

掲載写真・動画は会期2日目の2026年7月2日に撮影された素材です。本記事は会場全体の網羅レポートではなく、フィジカルAIの実装工程が見えやすい4社を選んで紹介します。

2026年ものづくりワールド東京のAirion展示ブース。移動台車に搭載されたロボットと、VLM・VLAやシミュレーション開発を紹介するパネル
第1回フィジカルAI展[東京]の会場写真。ロボット本体だけでなく、背後の「VLM/VLA」「シミュレーション」「模倣学習」という開発工程にも注目します。

第1回フィジカルAI展[東京]の開催概要

第1回フィジカルAI展[東京]は、2026年7月1日(水)から3日(金)まで、各日10:00〜17:00に東京ビッグサイトで開催されました。第38回ものづくりワールド[東京]の新しい構成展として、AIロボティクス、開発・シミュレーション基盤、センシング、認識・制御AIなどが集まりました。

展示会名第1回 フィジカルAI展[東京]
位置づけ第38回 ものづくりワールド[東京]の構成展
会期2026年7月1日(水)〜3日(金)10:00〜17:00
会場東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)
主催RX Japan合同会社
撮影日2026年7月2日(会期2日目)
全体の予定規模2,000社・70,000名(ものづくりワールド全体の主催者予定値)
現地で見えたのは、モデル単体ではなく実装のつながり

ロボット本体、VLM/VLA、シミュレーション、双腕制御、センサーが別々に並ぶのではなく、「認識して、判断して、動き、結果を測る」工程として展示されていた点が印象的でした。

開催日時とものづくりワールド内での位置づけは、主催者の展示会概要で確認しました。以下で紹介する4社の技術・事業情報は、各社の公式サイトと公式発表を参照しています。

現地写真・動画で見る、フィジカルAIの4つの実装テーマ

会場ではヒューマノイドや四足歩行ロボットが目を引きます。しかし、実用化を判断するには、ロボットの形より「何を認識し、どう判断し、失敗をどう検出し、既存設備とどうつなぐか」を見る必要があります。

01 / 製造業向けAI

Airion:生成AIとロボット制御を、工場の工程へつなぐ

2026年のAirionブースでは、移動ロボットや四足歩行ロボットとともに、VLM/VLA、シミュレーション、テレオペレーション、模倣学習などが紹介されていました。VLMは画像と言語を扱うモデル、VLAは画像・言語の入力からロボットの行動へつなぐモデルです。

Airionの公式サイトでは、製造業向けの生成AI開発に加え、VLM/VLAによる協働ロボット制御、PLC連携、3D解析を含むフィジカルAI開発を掲げています。同社の展示からは、モデル単体の新しさだけでなく、既存の制御装置、設備データ、停止条件までを一つの工程として扱う視点が読み取れます。

Airionブースで展示された四足歩行ロボット。背後にVLM・VLAなどのフィジカルAI開発事例を紹介するパネル
写真:右の動画と同じ、Airionブースの四足歩行ロボット。背後にはVLM・VLAなどの開発事例が掲示されています。
動画:約12秒。Airionブースで展示された四足歩行ロボット。会場音への配慮から初期状態はミュートです。
展示から読み取れる導入論点
  • 自動化の範囲:認識・判断・動作をどこまで一体で設計するか
  • 設備との接続:PLCや既存ロボットをどう連携させるか
  • 実機への移行:シミュレーションと追加データをどう組み合わせるか

Airion公式サイトで事業内容を確認する

02 / 導入前の実証

アカツキAIテクノロジーズ:ヒューマノイドを「買う前に試す」

アカツキAIテクノロジーズの展示では、ヒューマノイドの実機と動作デモが目を引きました。同社の2026年出展案内では、四足歩行ロボットやヒューマノイドを期間限定のサブスクリプションで利用するPoCを紹介し、初期導入のハードルを下げる方針を示しています。

実機購入を前提にすると、機体選定が先に来てしまいます。この展示は、まず限定された期間と作業で試し、移動経路、停止、復旧、人との距離、データ収集量を確かめる「小さく実証する入口」を具体的に示していました。

アカツキAIテクノロジーズのロゴを胸に付けたヒューマノイドロボットの展示
写真:アカツキAIテクノロジーズのヒューマノイド展示。
動画:約5秒。画面上で再生されていたヒューマノイドの動作デモ。初期状態はミュートです。
展示から読み取れる導入論点
  • PoCの評価:期間中に測る成功指標を先に決めること
  • 役割分担:機体、AIモデル、現場調整、保守の担当を分けること
  • 運用記録:人の介入回数や復旧時間も評価対象に含めること

アカツキAIテクノロジーズの2026年出展案内を確認する

03 / 双腕ロボット

Prox Industries:一連の作業を、複数の判断と動作へ分ける

Prox Industriesの展示パネルでは、協働ロボットUR3eを2台使い、容器をつかむ、箱へ置く、位置を調整する、箱を閉じるといった複数工程を自律実行する構成が示されていました。パネルには、CV(画像認識)、Motion Planning(動作計画)、VLA、RL(強化学習)を組み合わせる考え方が記載されています。

同社の公式サイトは、シミュレーション環境、データ収集・生成・拡張、モデル学習、実機デプロイまでを一気通貫で支援すると説明しています。また、2026年6月にはユニバーサルロボットとの連携により、UR3eの双腕構成で製造・物流への応用研究を進めると発表しました。

Prox Industriesの展示パネル。UR3e双腕ロボットによる箱詰め工程と、CV・Motion Planning・VLA・RLを組み合わせる構成を説明
写真:Prox Industriesの展示。一つの万能モデルではなく、工程を分けて複数の技術を組み合わせている点が読み取れます。
展示から読み取れる導入論点
  • 工程の分割:従来制御と学習モデルの担当範囲を分けること
  • 変化への対応:箱や部品の位置・形状の違いを評価すること
  • 失敗時の復旧:途中工程から再開できる設計にすること

Prox Industries公式サイトで研究支援の範囲を確認する

04 / センシング

東京測器研究所:AIが動く前に、「力」を測れる状態をつくる

東京測器研究所の展示では、スプーン、既存部品、軸力測定用の部材、ギヤなどへひずみゲージを取り付ける例が並んでいました。ひずみゲージは、部材が力を受けてわずかに変形した量を電気信号として捉えるセンサーです。

同社は公式サイトで、ひずみゲージを基礎に、触覚、力覚、多軸力覚、トルク、特注センサーをヒューマノイド・協働ロボット・FAロボットへ展開すると説明しています。ロボットが対象物を壊さずにつかむ、人に触れたら止まる、締め付け量を一定にするには、AIモデルだけでなく力のフィードバックが欠かせません。

東京測器研究所のひずみゲージ展示。スプーン、既存部品、軸力測定用部材、ギヤへの貼付例
写真:既存部品をセンサー化する展示。フィジカルAIの性能は、何を測れるかにも左右されます。
展示から読み取れる導入論点
  • 測定対象:部品のどこで、何軸の力を測るか
  • 測定誤差:温度、ノイズ、繰り返し荷重の影響をどう扱うか
  • 制御への反映:データ周期と異常停止のしきい値をどう設計するか

東京測器研究所のフィジカルAIセンシングを確認する

4社を横断して見えるのは、「作業」だけでなく「判断」をデータにする流れ

フィジカルAIを現場へ入れるには、熟練者の動きを撮影するだけでは不十分です。なぜその順番にしたのか、どの状態を異常と見たのか、どこで速度を落としたのかを、映像・姿勢・力・設備状態と結び付ける必要があります。

動作を残す

映像、姿勢、関節、道具の位置、操作の順番を時刻とともに記録します。

判断を残す

注意点、異常の兆候、やり直す条件、熟練者が見ている箇所を言葉にします。

結果を戻す

成功・失敗、品質、安全、人の介入を評価し、次の支援や学習へ戻します。

現地レポートから持ち帰れる視点

ロボットの外観だけでなく、「入力データ」「判断」「動作」「評価」「人の介入」を一つの流れとして整理すると、自社工程や研究テーマへ当てはめやすくなります。

4社の展示を読み解く7つの視点

現地写真と動画を技術的な判断材料へ変えるため、4社の展示を次の7項目に分けて整理しました。

  1. 1

    自動化の対象作業

    搬送、把持、検査、組立、巡回など、技術が想定する作業を区別します。

  2. 2

    成功と失敗の評価基準

    成功率、処理時間、位置誤差、品質、人の介入回数が評価軸になります。

  3. 3

    入力データ

    映像、深度、力、音、設備ログ、言語指示をどのように組み合わせるかを見ます。

  4. 4

    環境変化への対応

    照明、部品位置、形状、摩擦、作業者の通行といった変化への対応範囲を見ます。

  5. 5

    人が介入する工程

    開始許可、監視、異常復旧、再学習など、人が残る工程を整理します。

  6. 6

    安全停止

    接触、通信断、センサー異常、想定外動作を検出して止める仕組みが必要です。

  7. 7

    実運用までの残課題

    PoC後には、設備改造、データ作成、保守、教育、費用の検討が残ります。

まとめ:第1回フィジカルAI展で見えたのは「評価ループ」

2026年会場の4つの展示から見えたのは、フィジカルAIがモデル単体では成立しないということです。製造業向けAI、ヒューマノイドのPoC、双腕ロボットの工程分解、力を測るセンシングが接続して、初めて現場で評価できます。

現地写真を振り返ると、派手な一回の動作よりも、対象作業、学習データ、成功条件、人の介入、安全停止、既存設備との接続を一つの評価ループとして見る必要があると分かります。この視点は、研究テーマの整理にも、導入前のPoC設計にも使えます。

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よくある質問

第1回フィジカルAI展[東京]はいつ、どこで開催されましたか?

2026年7月1日(水)から3日(金)まで、各日10:00〜17:00に東京ビッグサイトで開催されました。第38回ものづくりワールド[東京]の構成展です。

この記事の写真と動画はいつ撮影されましたか?

会期2日目の2026年7月2日に、第1回フィジカルAI展[東京]の会場で撮影された素材です。

4社の展示からどのようなことが分かりますか?

ロボット本体だけでなく、対象作業、学習データ、人の介入、安全停止、既存設備との接続、実運用時の評価までを一つの工程として考える必要があると分かります。

専門知識がなくても内容を理解できますか?

VLAや強化学習の仕組みをすべて理解する必要はありません。「何を見て、何を判断し、何を動かし、どう止めるか」の4点で展示を読むと比較しやすくなります。

確認した一次情報・公式資料

展示内容と各社の事業・製品情報は記事作成時点のものです。最新仕様や提供条件は各社の公式情報を確認してください。

写真・動画と免責

記事内の写真・動画は、2026年7月2日に第1回フィジカルAI展[東京]の会場で撮影された素材です。本記事は会場全体や全出展社を網羅するものではありません。公開情報と会場素材をもとにした技術動向の整理であり、製品性能、安全性、導入効果、費用対効果を保証しません。実機の導入・操作では、各社資料と所属組織の安全規程を優先してください。